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告白(2010) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 告白(2010)
製作国
上映時間106分
劇場公開日 2010-06-05
ジャンルドラマ,サスペンス,犯罪もの,ミステリー,青春もの,学園もの,小説の映画化,バイオレンス
レビュー情報
《ネタバレ》 この話、ひとことで言えば、「ばかばかしい」。
これは、前に原作小説を読んだときに感じたことでもある。映画も基本的には原作をそのまま踏襲しているので、話の展開自体は同じように「ばかばかしい」。
なので、最後の方で再登場した松たか子が吐き捨てるように呟いた「ばかばかしい!」という台詞には正直ドキッとした。ほんと、そうですよね。ばかばかしい話ですよね。このプロット、この展開。松さんの言うとおりです。。

松たか子。前作「ヴィヨンの妻」も良かったけど、本作も堂に入った演じっぷりで、台詞回しや表情、そして、うしろ姿にはとても迫力があった。最後の「どっかーん」も鬼の形相のような笑顔も結構ぐっときた。

映画は、ばかばかしい話を随所に映像的に盛り上げていて、なかなか見所があった。この監督の映像感覚は相変わらず面白い。賑やかさの中に毒が効いていて、はっとさせられる場面もあった。ただ、あの断続的な映像が100分間ぶっ続けなのだから、やっぱり疲れるかな。

この話が観ている時の衝撃以上に全く心に残らないのは、話自体がマンガ的、キャラクター小説的だからだろうか。ノリとしては、よくある少年マンガのキャラ対決と同じかなと。少年が罪を犯す理由が「世間に自分を認めさせるため」であり、特に母親との関係に自我の心理的な動機を求める。100年前からの伝統に基づく実に類型的なお話である。(そこに最初から父親の影すらないのが現代的だけど) ついついそういう所につっこみを入れながら観てしまうのだが、何れにしろ、しっかりとキャラが立っていたので、この手の物語としてはかなり出来がよいのだと思う。マンガとしてみればその破天荒なばかばかしさは痛快だったし、多少の違和感を残しながら、最後はしっかりとオチが付いて、めでたし、めでたし、である。

告白とは? ということを考える。私の告白とは誰の告白なのだろう。私? 告白する私とは誰だろう? 告白すればするほど、いや、告白したつもりが、ただそう言わされているだけで、それが本当の私であるという確証など何処にもない。そうだろうか? 今や告白こそが私そのものであり、それ以外の本当など存在しえない、つまり「本当の私のココロ」などというものこそ、もはやありえないのだ、、、と考えてみる。そういう「告白」に人々が振り回されるという意味において、この映画の「告白」は実に現代的で軽い、なーんてね。
onomichiさん [映画館(邦画)] 8点(2010-06-13 20:48:35)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 251件
作品の平均点 7.04点
作品の点数分布
051.99%
172.79%
231.20%
393.59%
441.59%
5249.56%
6218.37%
75019.92%
86023.90%
94618.33%
10228.76%
作品の標準偏差 2.29
このレビューの偏差値 51.85
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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