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野性の夜に のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 野性の夜に
製作国
ジャンルドラマ,ラブストーリー,同性愛もの
レビュー情報
セザール賞受賞前に監督・主演であるシリル・コラールがAIDSで死んだという悲劇的なニュースが、この映画の公開時には、セットとして報じられていました。確かに映画自体も主人公が同じAIDSに感染しており、ある意味で主人公はシリル・コラールその人だと言っていいかもしれません。そんな悲劇的な話題が本編よりも先行してしまったのは事実ですが、それを差し引いてもこの映画には僕らを引き付ける魅力があるというのも紛いない事実でしょう。ロマーヌ・ボーランジュもとても魅力的です。恋人であるシリルがAIDSであることを知った時、その不条理さを呪い、悩み、そして自分の人生そのものを問い詰めて、それでも彼を愛しぬくことを決断する、そんな彼女のポジティブさが結局シリルを救うことになるのです。愛を信念として生き抜くこと、そんな「母」のような力強い少女をロマーヌは切々と演じました。これは絶望的な状況の中でのラブストーリーです。普段の僕なら知らず知らずの内にアンハッピーエンディングを求めてしまうところだけど、この映画の中のハッピーエンディングは、映画の外のシリルの逝去という事実と相まって、「生きる」ということの切実さを訴える粛々たる感動を僕らに与えてくれるのです。
onomichiさん [映画館(字幕)] 10点(2003-10-12 23:48:26)
その他情報
作品のレビュー数 15件
作品の平均点 6.27点
作品の点数分布
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216.67%
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作品の標準偏差 2.54
このレビューの偏差値 55.78
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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