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ミスティック・リバー のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ミスティック・リバー
製作国米,豪
上映時間138分
劇場公開日 2004-01-10
ジャンルドラマ,犯罪もの,ミステリー,刑事もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》  この映画の本質は、最後の最後のショーンペンの妻のせりふの中にある。社会的には小さな単位である家族の中の仁義を貫いた夫は、社会的には、またはほかの家族からは憎むべき殺人犯である。しかし妻は夫の行動を支え賞賛する。あなたは王なのだと.強く有らねばならないのだと.だからあなたは正しいことをしたのだと.
 この構造,身内の中での正義,幸福の追求が全体の不幸をもたらすという構造がアメリカの底を流れる深く黒い川であり、社会的矛盾を引き起こしていると監督は警告しているのだ。近年のアメリカの横暴はおそらくアメリカにとっては正義なのであろうが、それでいいのかという問いかけではないか。
 幸福の追求が、現在の不幸と報復、復讐の連鎖によっていかに阻害されているか実感させられる作品である。サスペンスでもドキュメンタリーでもない、社会派映画はとかく薄っぺらになり勝ちなのに、この映画はアメリカの病理、アメリカの社会の破綻を圧倒的な説得力、ものすごいインパクトで訴えかけている。
 かつて自らの出演する映画で悪党を憎みたくさん撃ち殺してきた監督であるが、こんなことを考えていたのかとびっくりです。知性派なんだね。もう一回見るのには気合がいります。
take1さん [映画館(字幕)] 10点(2004-12-23 16:49:52)(良:4票)
その他情報
作品のレビュー数 378件
作品の平均点 6.34点
作品の点数分布
020.53%
110.26%
282.12%
3266.88%
4236.08%
54511.90%
69424.87%
77720.37%
85715.08%
9256.61%
10205.29%
作品の標準偏差 1.93
このレビューの偏差値 59.87
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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