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冒頭の15分近く、どんな話になるのかさっぱりわからないのに、空気の肌触りまで感じさせる映像に魅せられて少しも退屈しない。
映画を見終わって最初のシーンを見返すと「ああ、そういうことだったのね」とやっとわかる。 そんな映画だ。きっとそこまでやっても観客がついてくるという自信があるのだろう。二度見る客もいるはずだときっと考えている。その自信は十分内容のあるものだった。 筋書きだけでなくいろいろな面で、岩井俊二の「ラブレター」の影響は多分受けていると思う。ただし、日本でも岩井の亜流みたいな映像をたくさん見るようになったけれど、このイ・ヒョンスはその影響をきちんと消化して自分のものにしているように感じる。ただ音楽は「こういうのって、おしゃれでしょう?」みたいなとってつけた感じがする。それでも我慢できるくらい映像が美しいし、そういう音楽もだんだん気にならなくなる。 ラストについては賛否がわかれているようだが、僕はあのようにしたからこそ、特に印象の残る映画になったと思う。主人公達のその後について、想像を膨らまさせてくれる。 【小原一馬】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-15 02:22:04)
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