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カンヌ映画祭グランプリですか?こういう作品にあげていいんでしょうか。過保護で過干渉な母親に育てられ、性的妄想いっぱいの人格の歪んだ中年のピアノの先生が主人公。それ自体は今どきいくらもいそうでそう珍しくもない話だと思う。そこにハンサムでスポーツマンで頭も育ちもよさそうな音楽的才能にも恵まれた青年が登場する。しかも何故かこの青年に一方的に恋心を抱かれる。こんなこと宝くじに3回当たるよりあり得ないだろうなあ、でも映画だからある。どうしてこの完璧な青年が生理も止まっている干からびたような主人公を好きになったのか、そこがまずよく描かれていない。説得力が全くない。さらに主人公は青年を自らの性的妄想に付き合わせようとする。青年は彼女に呆れ侮蔑し、自分の性的欲望のはけ口としてしか彼女を扱わなくなる、というような話なのだが、途中彼女の性格の歪みを随所に見せてくれる。青年の方も普通といえば普通だか、変といえば変である。彼女のせいでおかしくなったのか、もともと変だから彼女を好きになったのか、それともからかったのか。性的シーンが、トイレ、更衣室、床、車(他人だが)で、1度もベットの上がない。それも全て着衣のまま、この辺に監督の拘りがあるのかなあ。愛情のない欲望の表現というような。で、ラスト、こうした性格の人はしばしば自傷行為(刃物で自分を傷つける、でも死ぬわけではなくただ傷つけるだけ。このサイトでもラストがよく分からないという人いましたよね)でカタルシスを感じるらしいが、この主人公もやっぱりそれをやる。たぶん青年は元の生活に。彼女は?歪んだ性格はそのまま、でしょう。やりきれないお話でした。青年が美しいので5点。
【大木眠魚】さん 5点(2003-05-15 23:36:23)
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