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《ネタバレ》 個人的には前作の「オチから発想した」ような脚本構成が好きになれなかったけど、今作は割りと素直に楽しめた。確かにインパクトという点では前作に負けているが、その分、良い意味で肩の力が抜けてこなれた感じ。
謎解き部分はシンプルながら、最初から犯人が捕まっているので、どういうストーリー展開になるか不安だったが、ビデオ映像である事を利用して人を翻弄するという構成が、「ソウ」特有の厭らしさと上手く絡んでいる。 確かに「セブン」や「CUBE」を模倣している部分は多いが、単純なパクりではなく、それなりに「ソウ」の世界観として昇華させている点は評価したい。 ただ、残念ながら相変わらず突っ込みどころも多い。映画である以上、こんな事を言っても仕方ないけど、ちょっと閉じ込められた人間のやる事が頭悪すぎ。焼却炉に入る時くらい、扉が閉まらない様に注意しとけって。すでに銃で撃ち殺された人間を見てるんだから、そこらじゅうにトラップが仕掛けてある事くらい分かるだろ。あれじゃ罠にかかるイノシシレベルだぞw。めちゃくちゃ怪しげなガラスケースに何の躊躇も無く手を入れる女もアホすぎ。 「常識的な注意」や「人間の心理の裏」をかくような、考え尽くされたトラップを仕掛けて、こうした突っ込みを回避して欲しいところ。その辺に手抜き感が目立つ。 また、「内部に裏切り者がいる」という密室劇特有の要素も弱く、閉じ込められている人間にしてみれば、単にトラップに翻弄されるという物理的な恐怖ばかりが先行しているのが難点。贅沢かも知れないが、見ている観客をも疑心暗鬼にして心理的に翻弄するようなミステリー的な謎解きに特化してくれていれば傑作になったはず。所詮はサスペンス止まりの作品。惜しい。 【FSS】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-10-16 16:51:35)(良:3票)
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