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リプリー のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 リプリー
製作国
上映時間140分
劇場公開日 2000-08-05
ジャンルドラマ,サスペンス,シリーズもの,犯罪もの,青春もの,小説の映画化
レビュー情報
実はオリジナルを見た事が無いので、比較は出来ないけど、人間ドラマとしては秀逸な作品だと思う。

リプリーの行動には無理があるし、計画らしい計画も無く、すべてが行き当たりばったりだけど、それだけに妙なリアリティがある。

特に今作は、オリジナルの「持つ者と持たざる者」というテーマよりも、お互いの「相手に対する想いの温度差」が招く悲劇という普遍性をクローズアップしている点が重要。そこに感情移入できない人は、この作品の本質も理解できないと思う。

こういう相手との温度差は、友人関係、恋人関係に拘らず、どんな人間関係でも日常的によく感じる事だろう。実際、自分も親しい友人に裏切られた経験がある。ところが、相手は自分を裏切ったと言う意識すら無かったようで、むしろ、その相手の自分に対する「無関心」こそがショックだった。憎悪や裏切りは、まだ相手に対する感情の発露ゆえに、少なくとも無関心ではない。よく言われる事だが、「愛情」の対義語は「憎悪」ではなく「無関心」なのだ。

この作品でも、結局、リプリーの存在はディッキーにとって「どうでもいい」程度の事でしかなかった。言わば、始めに相手の存在を「抹殺」したのはディッキーであり、その冷酷で非人間的な感覚の前では、リプリーの絶望感や憎悪の発露は当然であり、むしろ人間的なものだろう。

ただ、惜しむらくは、ディッキーを殺してからが長過ぎるところ。本来は「ディッキー殺し」こそが最大の山のはず。その後をダラダラと続けてしまったために、本来のテーマが霞んでいる。惜しい。

FSSさん [ビデオ(吹替)] 8点(2005-07-07 11:20:13)
その他情報
作品のレビュー数 195件
作品の平均点 5.86点
作品の点数分布
010.51%
100.00%
221.03%
3136.67%
42010.26%
54824.62%
64523.08%
73115.90%
82613.33%
963.08%
1031.54%
作品の標準偏差 1.67
このレビューの偏差値 57.66
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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