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フォレスト・ウィテカーは、どんな役でも楽しそうに演じるのだが、本作はいつにも増してノリノリな印象である。何せ初登場の演説シーンからして度肝を抜かれる。あの地も割れんばかりのダミ声。人懐こい笑顔とユーモアのセンスには、誰もが惹きつけられることだろう。それがどこをどう間違えたのか、内に秘めた狂気がだんだんとエスカレートしていき、気付いた時にはもう遅いという次第。このじわじわ感が本当に怖いです。そういえばウィテカーは、「ハスラー2」でも、どことなく似たような役を演っていたな。史実を巧みに取り入れた脚本は実にお見事である。本作の後に「特攻サンダーボルト作戦」を観れば完璧であろう。ついでに「食人大統領アミン」も押さえておきたいところだ。元大統領は最近までサウジで生きてたんですね。大虐殺のシーンはないのだが(グロはある)、見えないことで逆に、その恐怖がじわじわと伝わってくる。そこに青年医師の、無自覚などうしようないダメっぷりが加わると、鑑賞後も長く、何とも言えないイヤーな感覚が残ることになる。他の作品ではあまり経験できない、複雑な感情を呼び起こすという点で、本作は優れた作品である。
【わいえす】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-05-08 01:34:24)(良:1票)
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