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原作は冬の寒い日に、風邪をひいて留守番をしていた小学校4年生の時に読みました。誰もいない家の布団の中で本を読んでいると段々日が暮れてきて、作品の舞台である北海道の寒さやコタンの人々の厳しい暮らしと、実際の寒さや心細さが一体となり鮮明な記憶として私の中に残っています。その時以来の映画としての「コタンの口笛」。↓【STING大好き】様(またお目にかかれてとても嬉しいです!)も指摘されていますが単に声高に差別を叫ぶだけじゃなくて、アイヌの人々の諦めやずるさ、いざとなったら逃げ腰になった事で自らも傷つく校長先生、闘う兄弟達を心の支えにする先生など、さまざまな人々をバランス良く描くことによって要するに問題は「人間」なんだと、誰にしたって誇りを失っちゃいけないんだと納得させられます。私はまだ成瀬映画の初心者なんですけど、今まで観た彼の映画の中でこの作品のラストは、一番厳しくて、寒くて、力強くて、真っ直ぐで、兄弟達の幸福を心から祈らずにはいられないラストシーンでした。
【黒猫クロマティ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-06-08 12:47:14)(良:1票)
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