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舞台モノというのは舞台で見たほうが迫力があるものですが、この映画は映画であるという利点を使用して実に胸に迫る映像と効果の連続で魅せてくれます。冒頭で銅版画を思わせるパリの街並みにググっと寄っていって次第に立体的になっていく映像の見せ方などは、古典的かつ新鮮で凄く感動しました。思わず「おー」と呟きました。隣の嫁は「ああ」と感嘆してました。とにかく大感動。クライマックスでオーケストラの大洪水が寄せてきたと思ったらサっと音が引き、次の瞬間オルゴールが奏でられるのですが、あれはもう反則でしょう。オルゴールの音色が鳴った瞬間、ブワっと涙が溢れました。マスカレードの場面も圧倒されましたが、今まで映像化された歌劇をなぞったような手法が多かったのが残念。ただ、これは舞台であり映画であるという二面性を最大限生かそうとしていた作りこみとこだわりがビシビシ感じられたのが良かった。ともすれば中途半端になりがちですが、舞台を表現する平面的な場面と、映像を表現する暗闇へ向かう奥行きの場面のコントラストが良かったと思う。まるで長い夢を見ていたかのような映画。終わった後ほとんどの観客が(年配の方が多かったです)席を立たずエンドロールを最後まで見ていたのが印象に残りました。歳取ってからまた夫婦でスクリーン上で見たいと思わせる、そんな映画です。大傑作。
【DeVante】さん 9点(2005-02-07 07:38:48)(良:1票)
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