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《ネタバレ》 人形に感情を持たせる題材から、人間の本質を垣間見せるという「ピノキオ」的手法は、決して珍しくはないのだが、現代東京を舞台にダッチワイフを起用するとは・・・変態是枝監督の面目躍如!
是枝ワールドの素晴しさは、人と人との関わりの中で見え隠れする人間の弱さ・愚かさ・残虐性~それこそヒトの本質か~を究極の優しさに満ちたカメラアイで、さりげなく切り取る所業にある。人間のダークサイドをこれほど美しく描写できる者は希有だ。「誰も知らない」同様、東京の光景のワンカットのみで私は目頭が熱くなる。 今回は、ぺ・ドゥナ(何と云う肉体美!)という愛玩具を手中に収めた監督は、日活ロマンポルノ的アプローチで若干、自己の悪趣味を披露しつつ、他人の暖かい息で満たされたい孤独な者達を、慈愛と自虐を持って描いています。 オルゴールの旋律が、無機質な豊洲のマンション群の一室・一室に命という灯りを点すように響き亘ります。 【つむじ風】さん [映画館(邦画)] 8点(2009-10-18 03:09:44)
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