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原作に親しんだ人間としては、想像した以上に想像どおりな(?)ホビット庄、モリアの坑道などの描写にため息と涙が出るようだ。ピーター・ジャクソン監督の原作と映画に対する愛の注ぎ方と割り切り方は絶妙で、奇跡のような出来栄えになっている。なんといっても三部作、腰をすえて見るつもりで身構えて鑑賞しないと、疎外感を味わって挫折してしまうので、要注意。小うるさい補足になって申し訳ないが、なぜあんなよわよわしい主人公が指輪を捨てに行かなければならないか? あの指輪は、強大なものが所有すれば所有するほど恐ろしい力を発揮する魔性の指輪なのである。ゆえに、魔王が所有すれば世界を滅ぼし、力のある魔法使いやエルフの奥方が所有すれば第二の魔王を生んでしまう。だから、非力なホビットが指輪を捨てに行くしかないのである。なんの力もない小人が、恐ろしい指輪を携えて、恐ろしい旅に出る決意をする。そこが泣き所なのだ。点数は文句なしに10点といきたいところだが、残念ながら日本人には万人向けとはいえない映画であること、ほんのわずか一部に稚拙な演出が見られたこと、珍妙な邦題と劣悪な戸田奈津子(呪われろ!)の字幕にマイナス1点。ビデオを借りるときは、字幕ではなく吹き替え版を選択しないと、ストーリーが正確に把握できない恐れがある。
【ウーフー】さん 9点(2003-10-13 23:45:46)
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