| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 「キル・ビルVol.2」以来のタランティーノの新作鑑賞。「キル・ビル~」ってもう6年前の映画なのかと、少々唖然とした。
そしてこの新作にも、大いに唖然とさせられた。 タランティーノ作品において、「唖然」という表現が“好評”なのか“不評”なのか、その単語のみでは正直判断がつかないだろう。 そして、「唖然」と発した自分自身も、実際のところ好不評の判断がつけづらい。 独特の台詞回しによる“タランティーノ節”に限って言えば、とてもタランティーノらしい台詞の掛け合いに溢れていた。 冒頭のナチスの大佐と農夫の対峙から、ナチス将校に扮したバスターズのメンバーが本物のナチス将校と酒を酌み交わすシーンまで、「タランティーノ!」という賞賛を思わず発したくなるような独特のユーモアと緊張感溢れる掛け合い震えた。 これは久しぶりに、評価に違わないタランティーノの傑作が誕生したんだな。とほぼ確信していた。 が、しかし、クライマックス近くまで非常に大きなエネルギーを感じたまま堪能できのだけれど、最終的な印象として「映画」としての魅力が無い、と感じてしまった。 何だろう?詰まるところ、クエンティン・タランティーノが「ナチス」を描く価値って何なのかが見出せなかったような気がする。 安直過ぎるほどにナチスを悪役として描き、それに残虐なまでの復讐を果たすバスターズの面々と、家族を殺された一人の娘。 結局、登場する全員が残虐なので、誰にも感情移入できない。 もちろん、これがタランティーノの映画である以上、感情移入なんて必要ないのかもしれない。 ただ、部分部分の台詞まわしやシーンは魅力的なのに、それぞれがバラバラで噛み合ない。 まあ“シュール”と言ってしまえばそれで済むのかもしれないけれど、やはりそれでは映画としてのカタルシスは得られない。 あ、そうそう。予想に反して見せ場の無いブラッド・ピットにも、唖然とする。 【鉄腕麗人】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2010-06-22 00:03:03)(良:1票)
その他情報
|
© 1997 JTNEWS |