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《ネタバレ》 ご存知ラングドン教授が、ヨーロッパの宗教史、美術史を辿りつつ、「謎」から「謎」を奔走する。
この映画はもはや、ミステリーに彩られたストーリーを追うものではなく、「謎解き」そのものを娯楽として楽しむべき豪華絢爛な“ジャンルムービー”なのだと思う。 ストーリーテリングが強引で粗があろうと、物語としての整合性があろうがなかろうが、「謎解き」そのものに対するカタルシスが得られれば、それでいいというスタンスなのだ。 娯楽の趣向としては、映画というよりも、ゲーム「レイトン教授」シリーズに近いものを感じた。まあ勿論、アチラのゲームが、この映画なり原作なりに着想を得ているのだろうけれど。 というわけで、年末の慌ただしい中、レイトショーで観た映画としては、面白過ぎるわけでもないし、駄作過ぎるわけでもなく、ちょうどいい塩梅で楽しめた。 前述の通り、ストーリー展開については苦笑を禁じ得ない稚拙な展開が目につく。 首謀者の計画の意味不明な遠回り感や、クライマックスの描写のグダグダ感など、サスペンス映画としての完成度は決して高くはない。 ただし、ロン・ハワードの監督の流石に洗練されたカメラワークや、三度ラングドン教授を演じたトム・ハンクスの安定感が、映画の表面的なクオリティーの高さをキープしている。 またこの映画の場合は“ヒロイン”の立て方がユニークで、大きな見どころとなっている。 ストーリー展開の中で入れ替わり立ち替わり存在する“ヒロイン”を巡る顛末こそが、今作の最大のサスペンスだと言えるかもしれない。 アカデミー賞ノミネートされた「博士と彼女のセオリー」の演技も記憶に新しいフェリシティ・ジョーンズの、“ある表情”の転換が見事だった。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 7点(2016-12-14 09:22:20)
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