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バーンスタインの「大脱走マーチ」は、軽快な作品のテンポそのもので印象的です。マックイーンが繰り返し独房に入る「反復」のおかしさに象徴されるように、脱走をある種のゲームのように見せているところが独特です。史実に基づいた映画ですが、単なるエピソードの羅列ではなく、見せ方も実にエンターテイメント。特に、脱走後の逃亡劇で、ちりぢりになった各々を時間を平行させて追っていくあたりはワクワクもので、ネタバレにも十分耐え得る出来です。悲劇もありますが、描写は深入りせずといったところで、どちらかと言うとそこに感情移入している時間はあまりない印象です。むしろ、脱走の為に見せるチームワーク、そして何より、失敗はつきものだ、また次があるさ、といった「懲りない面々」の前向きな姿勢によって魅了される映画でしょう。ラストでマックイーンが独房に向かうところで「お帰りなさい」と迎えられます。この映画でのマックイーンは際立ってカッコいい。なぜなら、彼こそが誰よりも「懲りてないやつ」だから。
【スロウボート】さん 9点(2004-01-14 23:20:06)(良:5票)
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