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廃墟と化した部室。そこに残された一枚の写真から過去に遡るというノスタルジーあふれるプロットが素敵です。たぶん、ありふれた演出なのでしょうけど、個人的にはこの冒頭部分が凄くいいと思いました。キャメラもうまいです。寄りの画を避けながら、なるべくピンで人物をとらえないように配慮しているかのような客観的な視点。2人のお芝居では2人がフレームに収まるところまで、5人のお芝居では5人全員がフレームに収まるところまで、キャメラがちゃんと引いていきます。これによって背景が画面に映り込みやすくなり、素朴な田舎の風景のもつ優しさのようなものが存分に映画に取り入れられているところもとてもいいです。高校時代に部活に打ち込む。この自己を投影しやすい素材も見逃せません。。。。僕の場合はサッカーでした。小学校の時からなかなか一生懸命取り組んでいたのですが、高校になって、1年生の夏に退部してしまいました。やめる時に顧問の先生に「きっと後悔するぞ。いつでも戻っておいで」と言われたんですが、結局、戻らず。そしてそのことを今ではやっぱりとても後悔しています。バッティングセンターでの悦子のように、「自分にはボートしかない」と思えなかった。だからこの映画のラストのような、あんな瞬間は、自分には訪れなかった。。あらら、なんとなくさえない高校時代。でも、こんな後悔もそれはそれでしょうがないか。。。学校帰りにうどん屋さん。この地方ではやっぱりうどん屋さんが多いのかな?あんなふうになんか帰りにみんなで食べたりして。あんなことしてたよね。。。。自分の青春期を思い出し、誰かに話したくなる。そんな映画です。そして、何より、未来へ向かって「がんばっていきまっしょい」です。
【スロウボート】さん 8点(2004-06-19 16:05:27)(良:2票)
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