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《ネタバレ》 落語の「居残り左平次」を下敷きにした時代劇で、とてもテンポがいいです。短いショットを効果的に挟んで、場面の展開も早いし、台詞も軽快。左平次、こはる、おそめなどはもちろん、全ての登場人物のキャラクターが個性的に描かれているのでみんなちゃんとした存在感があります。人間の中にある強欲とか、思い込み、強がりといったものを喜劇として面白おかしく表現していて、映画を観てる側はそんな人間の弱さが自分の中にもあることを知りつつも、客観的に見せられると思わず笑ってしまう。でも、登場人物の中でこの人間の滑稽な弱さを客観的に見られるのは左平次だけなんですよね。ここが面白いです。しかも、左平次も胸を患っていて、要領よく立ち回るその裏で、時折、自分の死期を悟ったような台詞を吐く。この設定が実に川島監督らしく、笑いの中にこうした暗い影を描き出すことで作品の深みが増しています。
【スロウボート】さん 9点(2003-10-31 00:06:40)(良:1票)
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