Menu
 > 作品
 > ム行
 > 無法松の一生(1943)
 > スロウボートさんのレビュー
無法松の一生(1943) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 無法松の一生(1943)
製作国
上映時間80分
劇場公開日 1943-10-28
ジャンルドラマ,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
宮川一夫キャメラマンが自らの「出発映画」とするだけあって、全編にわたって彼のキャメラが冴え渡っています。オープニングのクレーンショットは、観るものがまるで画面に吸い込まれるかのような見事なキャメラワーク。後の溝口作品における数々の名シーンを連想させるこのクレーンによる移動ショットは、まさに宮川の出発点と言えるもので、物語の始まりでいきなり本領発揮のスーパーショットです。有名な松五郎の回想シーンも圧巻。オルガンの伴奏をバックに叙情たっぷりの画をオーバーラップでつなぎます。今でもこれだけ長いオーバーラップの使用はめずらしいですが、これを現像ではなく、フィルムを巻き戻しながら手動で行ったとのこと。まさに映像の職人で、驚嘆します。残念ながら、この回想シーンも検閲の犠牲になってしまい、松五郎が思いをよせる陸軍将校の未亡人の部分はカットされます。抑制の利いた演出が、阪東妻三郎の繊細さを十分に引き出し、叙情詩のような傑作に仕上がっていますが、この作品を見る度に戦時中の検閲について考えさせられる、ある意味、問題作です。
スロウボートさん 8点(2004-01-16 22:40:33)(良:2票)
その他情報
作品のレビュー数 25件
作品の平均点 7.88点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
314.00%
400.00%
514.00%
6416.00%
7416.00%
8416.00%
9520.00%
10624.00%
作品の標準偏差 1.82
このレビューの偏差値 50.36
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
無法松の一生(1943)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS