| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 家を取り戻そうとする女、家を守ろうとする男、家を捨てた保安官。 すべてが「家」という存在から物語は始まっている。結婚に失敗して無気力な生活を送っていたキャシーの「家」に対する執着心は最初はよく分からなかった。なぜ自殺する必要があるのかも不思議だった。 しかし徐々に彼女は住む場所としての物質的な家(ハウス)を求めていたのではなく、家族の象徴としての家(ホーム)を求めていたのだ、ということが分かってきた。そう考えると非常にこの映画が好きになってきた。 人間の愚かさや他人に対する無理解が垣間見られる一方、ホームとして家の存在が霧のように希薄になってしまった現代で、ホームに執着する元大佐のベラニーとキャシー。 2人がホームに求めていたものは、キャシーは家族であり、ベラニーは祖国であるだろう。 2人は、目で見える物質的な「家」をめぐって争っていたが、実はお互い目に見えないホームをめぐって争っていたのではないだろうか。 この映画で誰が悪いやつか?なんて考えるのは意味がないと思う。全員が愚かなのかもしれないし、全員が被害者なのかもしれない。
【花守湖】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-07-23 13:06:53)(良:1票)
その他情報
|
© 1997 JTNEWS |