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《ネタバレ》 もし自殺したいと思っている人がいたら、どこかの戦場に行ってテロリストに追いかけられたら、多分「助けてくれ。死にたくない」と思うはずです。この映画はそういう映画でした。 犯人は末期ガンでした。「死にたくない」と思っていても死んでしまう人間でした。 そういう犯人が犯行に及んだ相手は、自殺未遂をした人間や、自分の体をクスリでボロボロにしてしまう人間。つまり「生きる」ことをなんとも思っていないような人間でした。 生きることを当たり前だと思っている現代の人間たちであり、命を粗末にする人間たちです。 犯人はそういう人間にゲームを仕組んで「死にたくない!」と思わせて絶望させたかった。 自分と同じような目にあわせたかったのだと思います。 不思議と人は「死」を他人から突きつけられると「生きたい」と思うのです。 この犯人が、ゲームを仕掛ける相手に強く望んだことは、「生きることに対する執着」でした。 犯人のゲームから逃れた唯一の生存者は「私は救われた」と言った言葉が印象的です。 普段は「生きていること」なんて当たり前すぎてまったく意識せずに私たちは生活していますが、「死」を意識させられることで、はじめてそのことに気がつくのだと思います。 「生きたい」と強く願えば生きられる。 あの2人のうちの1人は足を切って生き延びようとした。もう1人はそれをしなかった。と、考えると「生への執念」が2人の明暗を分けたようです。
【花守湖】さん 8点(2005-03-13 01:45:28)(良:3票) (笑:1票)
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