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沈まぬ太陽 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 沈まぬ太陽
製作国
上映時間202分
劇場公開日 2009-10-24
ジャンルドラマ,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 俳優陣は豪華ですが、単なる有名俳優をいっぱい出演させただけのオールスター映画ではありません。オールスター映画がいつも期待はずれなのはよくあることですが、この作品だけは異質です。やはりと言った方がいいのか、意外というか、ほぼ渡辺謙しか出てきません。まさに渡辺謙の1人舞台でした。この映画に何を期待するのかは人ぞれぞれだと思います。私は「渡辺謙を見たい!」という目的のために映画館に足を運ぶ人が、一番この作品を楽しめるのではないかと確信しています。人の「不幸」は人それぞれです。左遷ごときは遺族に比べれば軽く感じる人もいるでしょう。だけどね、そういう表面的なことは別にして、恩地が不幸を不幸と感じずに生きてこられたのは、どんなに辛くても、矜持を持つことができたからだと思うのです。つまりどんな困難に遭おうとも、人生を耐えることができたのは、自分の行動や考えを、自分自身が支持できたからです。それに対して自殺したあの男。彼はいつしか自分が嫌いになってしまった。最大の不幸は自分を好きになれないことだと気がつきました。行天も同じです。出世しても彼は自分を嫌っていた。もっと悪い奴だと思っていましたが、彼は冒頭で自分の弱さを告白する。そして最後まで弱い人間でした。考えてみれば恩地以外はみんな弱い人間ばかりでした。なんの憎しみもわきません。まさに恩地が言うとおり「かなしい」それだけです。政治の問題も、日航の問題も、墜落も、ベストセラー小説ということも、まったくこの映画には関係ありません。3時間を越える長い時間の大半を、ただひたすら「人間の生き方」に費やしている。あなたは自分を好きですか?そういう問いかけが聞こえてきそうなヒューマニズムあふれる「物語」でした。
花守湖さん [映画館(邦画)] 5点(2009-10-31 12:15:58)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 79件
作品の平均点 5.99点
作品の点数分布
000.00%
133.80%
211.27%
322.53%
456.33%
51316.46%
62126.58%
72430.38%
8810.13%
911.27%
1011.27%
作品の標準偏差 1.68
このレビューの偏差値 46.50
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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