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告白(2010) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 告白(2010)
製作国
上映時間106分
劇場公開日 2010-06-05
ジャンルドラマ,サスペンス,犯罪もの,ミステリー,青春もの,学園もの,小説の映画化,バイオレンス
レビュー情報
《ネタバレ》 いじめが原因で復讐する話だと思ったがすこし違った。「いじめ」とはなにか?それは憎しみで相手をいじめるのではなく、面白くて楽しいからそれを実行する。怒りながらいじめる子供などいない。笑いながらいじめるのだ。それがいじめの本質である。まだ生まれて10年足らずの子供には心に傷が少ない。だから相手の痛みなどわからない。ただひたすら「笑い」と「楽しみ」だけがすべてに優先される。その先にいじめがある。子供の持つ明るさは残酷さと表裏一体である。それに対して娘殺しの犯人は、心に傷を負った少年であり、トラウマが原因の殺人だった。「告白」で何が一番嫌悪感を感じるか?それを自覚している人はいるでしょうか?もちろん犯人の2人ではない。それはボロボロに傷ついた犯人2人と、もっと深い傷を負った女教師をとりまくまわりの生徒たちの「明るさ」なのです。中島監督の演出は抜群だった。ダンスなど子供の天真爛漫な「明るさ」を全面に打ち出すことにより、いっそう子供の残酷さを印象づけ、観客の嫌悪感を募らせていく。社会では「子供の明るさ」を無邪気だと捉える。しかし中島監督は子供の明るさを、他人の痛みに鈍感な残酷さと捉えている。それはあの熱血教師にも当てはまる。あの脳なしのクソやろう!と誰もが思ったはずだ。人間が一番嫌いな人間は、凶悪犯罪者やヤクザではない。それは偽善者だ。かりに復讐を行なう女教師の描写として、娘を見殺しにした自責の念が描かれていたらどうなる?観客はこの女教師を偽善者だと憎むでしょう。しかし女は復讐を行なう自分をまぎれもなく「悪」だと自覚していた。反対に少年犯人を「悪者」として、制裁を加える生徒たちの醜さは、罪の自覚のない偽善者としての醜さだ。彼らをみていると、「ドッグヴィル」を思い出す。中島監督とラースフォントリアー監督が重なってくる。いわゆる性悪説バンザイ映画だ。なんという醜悪な映画だろうか。じゃあ私もこのさい「告白」しておこう。こういう映画はたまらなく好きだ。松たか子も好きだ。

花守湖さん [DVD(字幕)] 9点(2011-08-16 20:30:02)(良:4票)
その他情報
作品のレビュー数 252件
作品の平均点 7.04点
作品の点数分布
051.98%
172.78%
231.19%
393.57%
441.59%
5249.52%
6218.33%
75019.84%
86124.21%
94618.25%
10228.73%
作品の標準偏差 2.28
このレビューの偏差値 53.77
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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