| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 気分が悪い映画だった。部長、課長、という会社内の階級よりも、はるかに学校内の階級のほうが奥深い。4人の女友だちは表面上は友だちに見えるが実際には上下関係がある。学生時代は自意識が非常に強くなる。自意識とは簡単に言えば「自分が他人からどう見られているか気にする感情」である。学校という組織は、自民党政権をはるかに上回るほどに、派閥が存在し、そして上下関係が存在する。その中で生徒たちは、自分が他人からどのように見られているか、どのように評価されているか、どのグループに所属すれば評価が上がるか、そればかり気にして一喜一憂する。そして格下の生徒を見下し、同レベルの生徒と友だちになり、格上の生徒に媚を売る。生徒たちを必死になって区分けしているのは生徒たち自身である。なぜ生徒たちは、同じ生徒たちに優劣をつけたがるのか?ひょっとしたら区分け好きの生徒がしたいのは優劣をつけることではなくて、自分を肯定することなのではないか?不安から逃れるために区分けをし、自分をランクで理解しようとする。ではなぜ不安になるのか?この年齢の子供たちは自己評価できないからだ。他人が下す評価が自分の評価と考えてしまう。そうやってますます他人の目を気にした行動をするようになり、この生徒じゃ俺と釣り合わない、この生徒と喋るとレベルが下がる、と考えて、自分の立ち位置に神経をすり減らす、必然と学校は身分社会と化す。大人になると、しだいに他人が下す自分の評価よりも、自分自身が自分を客観的に評価できるようになる。オタクだったらオタクだという自分を肯定できるようになる。従って背伸びしなくなる。それだけで苦しみは半減する。ランクづけから解放される。むき出しの自意識に苦しむ生徒たちの姿をみて、本当に嫌な過去を思いをした良い映画でした。
【花守湖】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-08-25 00:43:13)(良:1票)
その他情報
|
© 1997 JTNEWS |