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《ネタバレ》 戦争で記憶をなくしたスミシィが、その記憶がないまま頼りない状態を支えてくれたポーラと結婚、人の親となり、作家としての第一歩を踏み出そうとする矢先に交通事故にあう。その事故がきっかけで、記憶の逆転現象がおこり、ずっと記憶のなかった戦争までの記憶が甦り、逆にそれ以降の人生が空白になってしまうという、メロドラマにありがちな展開。そしてスミシィは元の人生を歩み、実業家として成功するのです。ポーラを忘れたまま。しかも二人の子どもは病気で死んでしまっている。証明するものは何もなく、スミシィがポーラを思い出すことのみ。それだけで、もう哀しいではないですか。メロドラマは時代を超えて、人種を超えて、共感できる何かがきっとある、そこにある……。彼は空白の3年間のため、自分を不完全な人間と思い込み、本当は近くにいるポーラを好きなくせに、議員の妻として働いて欲しいと、なんともそっけないプロポーズをする。ポーラが現れても思い出さない、スミシィが最後にもっていた、袖のすり切れたシャツを見てもダメ、そして自分がプレゼントしたポーラの瞳と同じ色のネックレスを見てもダメ……何をみても思い出せなかった彼が……やっと……戦争で記憶をなくしたときに収容されていた精神病院から軌跡をたどったとき、ポーラと新しい家庭をつくった、あの小川の横の桜の樹がある小さな家の前で、本当の彼女と再会する。作りものじみたおとぎ話だけれど……これが素晴らしい。ポーラの我慢強さも素晴らしい。そして、義理の姪っこの彼女のいじらしさ、潔さも素晴らしい。これから先、過ぎ去った十何年の月日を二人で取り戻していって欲しいです。いやぁ、本当にいい映画です。
【元みかん】さん 8点(2004-08-29 10:46:16)(良:1票)
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