Menu
 > 作品
 > シ行
 > じゃりン子チエ
 > マーチェンカさんのレビュー
じゃりン子チエ のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 じゃりン子チエ
製作国
上映時間110分
ジャンルドラマ,コメディ,アニメ,動物もの,漫画の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 高畑監督の人間への目線の暖かさが感じられる作品だと思います。

主人公であるチエちゃんの、大人びたところと子供らしいところの混在した人物造形はもとより、あのテツでさえ、作中では何とも人間味に溢れる愛すべきろくでなしといった趣です。そして作品は、そんな型破りなテツの生き方をも、「こいつはそういう人間なんだ」といった風に、大らかに受け入れているかのようです。

恐らくテツは、何かにつけて人並み以上に「過剰」なのでしょう。だから堅気の生活は、彼には余りにも窮屈過ぎるのです。バクチやケンカへののめり込み方も過剰なら、一人娘であるチエへの溺愛振りもまた過剰です。

自分の考え方でしかチエを愛せないテツにとって、「ワイはこんなにチエのことを愛してるのになぜチエは怒っているのか」と、チエが考えていることをしばしば理解できません。そしてそんな不器用なテツの愛情を知ってか知らずか、チエちゃんは時に腹も立てつつ、「しゃあないな、ウチがおらんとテツはどないもならんねん」といった趣で受け入れているのです。

そんな愛すべき人々とは別に、過剰なテツの生き方のその破天荒さや、エネルギッシュな大阪の下町の人々(それとたくましいネコたち)の様子を見ていると、そういう荒々しさを痛快な思いで眺めつつ、それに対してどこか憧れの気持ちを持ってしまいます。

一応関西育ちではあり、TV版の再放送もしょっちゅうされていたので、子供の頃は好んで良く見ていたものの、劇場版についてはラストの小鉄とジュニアの対決が子供心に痛々しく感じられたという印象も手伝って今まで特に見返す事もなかったのですが、こうして見てみると本当に良い作品だと思います。
マーチェンカさん [ブルーレイ(邦画)] 9点(2013-10-18 23:41:03)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 40件
作品の平均点 7.75点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
312.50%
425.00%
537.50%
637.50%
7512.50%
81025.00%
9922.50%
10717.50%
作品の標準偏差 1.84
このレビューの偏差値 53.69
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
じゃりン子チエのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS