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小ぶりながら、いち作品としても十分に楽しめる佳作。14年ぶりに復活したダイアンとのコンビが痛快で面白い。恋愛関係は終わっても、今も「一番大事な人だ」と言ってはばからないアレン。そのダイアンとの「友人関係」がよく伝わってきて微笑ましい。本作はちょうどあのスキャンダルの只中で、本来はミアファローのために書いたそうだが、この窮地にダイアンが手を差し伸べたのかな?と思うと、感慨はさらに深い。2人の私的な部分と重ね合わせて際どく言えば、息子も大学に入り、子育てを終えた熟年夫婦の「セックスレス」な関係すら画面から想像できる。愛情よりも友情で結ばれた夫婦、というより、もはや「同士」に近い感じだ。また、2人の代表作である「アニーホール」との比較で眺めてみると、味わいは更に深くなる。たとえば、犯人を車で追跡するシーンで「まったくあなたって方向オンチなんだから」と怒られるが、これも「アニーホール」のラストでアレンがダイアンとのヨリを戻そうと、カリフォルニアで慣れない運転までして追いかけたシーンと重ねて見てみると面白い。「ああ、本当に2人は仲がいいんだな」ってことが分かって、アレンファンならずとも嬉しくなる作品だ。
【給食係】さん 8点(2003-03-30 22:03:38)(良:1票)
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