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《ネタバレ》 ジョディ演じる母親の立場に立って考えれば、一緒に乗ったはずの子供が突然いなくなったんだからそりゃ必死にもなるし、他の乗客から見れば、乗員名簿にも載ってない子供を捜すなんて妄想だろと考えて普通です。そして観客にも、6日前に夫を亡くしたショックから(精神安定剤も服用しているし)この女性はきっとその時一緒に亡くした娘の幻覚を観ているのだろうと思わせます。1時間半の尺の映画で、たっぷり最初の1時間をかけてそう思い込ませます。それが終盤20分ちょっとでガラっと展開が変わる瞬間が面白かったです。むしろハイジャックがどうとか、犯人の動機付け、犯行の計画性についてはこの作品ではあまり意味を持っておらず、観客を中盤まで妄想か犯罪に巻き込まれたのかを悩ますと言う意味で成り立っている作品だと思いました。そういう意味では成功していると思いますし、物語の結末よりもむしろ、全容が明らかになる瞬間にクライマックスを感じます。ジョディ・フォスターは「パニック・ルーム」に続き、子供を守る強いお母さんを演じていますが、なるほどこの作品に出演した理由がよく分かる気がします。ジョーン・ビーンほどの役者が機長を演じていたので、何か大きな展開があるのかと思いきや何も無かった点が残念だったり、犯人は誰の目にも触れずにどうやって機械室まで娘を連れていったのか等を考えれば確かにかなり粗い作りの部分もありますが、自分以外、誰も信じてもらえない逆境の中においても、娘の生存を信じて必死に孤軍奮闘する母親の姿を描いたドラマとして見ると評価してあげたい作品です。
【まさかずきゅーぶりっく】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-08-30 10:51:08)(良:1票)
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