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《ネタバレ》 『永い言い訳』
観た後にストンと落ちた感がある良いタイトルだと思いました。 突然妻を亡くした幸夫(=本木雅弘さん)は、いっときから妻との関係も疎遠になっていて、妻の予定や友人関係も亡くなってようやく知るような状態だった。バス事故の遺族会にて、同じくバス事故で亡くなった妻の学生時代からの友人の夫、大宮陽一(=竹原ピストルさん)と知り合う。トラック運転手の大宮には二人の幼い子どもがいて、ふと幸夫は大宮がいない間の子どもたちの面倒を買ってでる。というストーリー。 まさに「罪悪感の払拭」「言い訳」として始めたんであろうこの子育てが、思いがけなく楽しいものになります。最初はぎこちない関係だった幸夫と子どもたちなのですが、とまどいながらも共に時間を過ごしてくれる幸夫にどんどん気持ちを開いていきます。幸夫は幸夫で妻の夏子(=深津絵里さん)との間にはいなかった子どもに対して、子育て経験のなさが逆に良かったのか、不器用にしかししっかり寄り添って接することで彼らとの関係を築いていきました。 そんな幸夫と子どもたちの温かいホームドラマのような空気がストーリー全体を包み込みます。長男の受験、長女の世話、大宮の葛藤・苦しみ、そして幸夫の贖罪や偏屈性がそこに散りばめられていますが、どれも共感できたり改めて自分でも考えさせられるものでした。 自分もあまり人と深く共感できる人間ではありません。周囲の人がみんな興奮していたり泣いていたりするような状況でもどこか他人事のようにしか感じられない自分に戸惑うこともよくあります。その度に自分が人として終わってるんじゃないかと思ってしまったりもしますが、何となくそういうところで幸夫に共感してしまいました。 、 原作の著者と監督が同じ人、ということを人に教えてもらい興味深いと思いまずは映画から鑑賞させていただきました。 次は借りてきた原作を読んでいこうと思います。 【TANTO】さん [インターネット(邦画)] 8点(2021-05-28 10:44:31)
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