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《ネタバレ》 楽しみにしていた最後の章、3時間半はクタクタになった。長さと映像だけに気を取られないように変に客観的に観ようとしていたが、あまりの緻密さに映画の世界に引き込まれてしまい、正直もう「降参」である。どんな小手先の批評を並べ連ねても、やはりこれだけの異世界を徹底的に再現したことは賞賛に値する。‥‥‥時間の長さと映像美に思考が奪われてしまうが、物語としても決して悪くないと思う。ファンタジーの結末は、決まってハッピーエンドであって、それでいて少しの未練、寂しさ、心残りがなければならない。この映画の終わりはその王道をいっており、ありきたりではあっても見事な結末を迎えた。ファンタジーたるこの映画の「壮大な異世界観の表現」は、単に映像だけに頼っていない。長い長い物語の中、それぞれの登場人物たちのドラマによって、この異世界観は成り立っているのだ。圧倒的な敵軍めがけて、ちいさな脇役のメリーとピピンが真っ先に雄叫びをあげて突撃する。アラゴルンやサムの苦悩、単なる一人の主人公の独り舞台ではなく、壮大な物語を描いた3部作の要所で、それぞれの役割を担った登場人物達がそれぞれに活躍を遂げている。これがこの映画の長さや美しい映像を中身のあるものにしている。ここまでの時間と熱意をかけて、壮大で緻密なファンタジーを描ききったこの映画の制作者全ての人に、心から拍手を送りたいと思う。
【six-coin】さん 6点(2004-02-14 00:59:24)
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