タイトル名	１２人の優しい日本人
製作国	日
上映時間	116分
ジャンル	サスペンス,コメディ,法廷もの,犯罪もの,戯曲（舞台劇）の映画化,パロディ

被告の姿を描写しないことによって、被告への感情移入をしにくくし、荒唐無稽意味深長な話し合いの「コメディー性」を際立たせて「本家」との差別化を図ったのは見事だが、いかんせん役者達の無計画なオーバーアクトは「笑いのツボ」であるはずの陪審員達の「シュールなリアリティー」を駆逐し、その芝居の甘さを「アクの強さ」だけで押されても、正直どこで笑っていいのか分からなかった。　リアリティーを失ってしまった陪審員達の話し合いは、「劇団員の楽屋のリハーサル」程度にしか見えず、評決の行方などもドタバタの中で、もうどうでも良くなった。　「本家」が偉大なる傑作なだけに、パロディーにもそれなりの完成度が求められる。　そしてその間には、まだ太平洋ほどの溝があいていたように思う。　随所に「本家」をリスペクトしたシーンも含まれてはいるが、焼け石に水だ。　日本人の滑稽さをペーソスのある笑いで描こうとしたのは分かるが、かなり消化不良。　今さら言っても遅いが、このテーマならむしろ伊丹十三監督あたりの得意分野だったのではないか。　もっと頑張れよ日本映画。 キビシ過ぎるか。

作品のレビュー数	293件
作品の平均点	7.39点
作品の点数分布	0 3 1.02％ 1 2 0.68％ 2 0 0.00％ 3 7 2.39％ 4 13 4.44％ 5 10 3.41％ 6 35 11.95％ 7 57 19.45％ 8 86 29.35％ 9 56 19.11％ 10 24 8.19％
作品の標準偏差	1.85
このレビューの偏差値	40.10 ※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値