Menu
 > 作品
 > ア行
 > 愛を読むひと
 > envyさんのレビュー
愛を読むひと のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 愛を読むひと
製作国米,独
上映時間125分
劇場公開日 2009-06-19
ジャンルドラマ,ラブストーリー,法廷もの,戦争もの,ロマンス,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 これは「愛を読むひと」ではなく「朗読者」だと思います。

秘密を隠すことに必死な人間は攻撃的で怒りっぽい、ハンナはナチス時代の罪の意識よりもコンプレックスの方が勝っていて、他人の理不尽な死より自分自身の痛みということなんだと思います、現実的です。
上手くいってる仕事を突然辞めてしまうのも読み書きが必要な部署への配置換えが理由で、マイケルの前から突然消えたのもこれが理由なんだけど、15歳のマイケルにはそれを知る由もありません、一方的な別れは相当なダメージでその後の彼に相当影響してるんだと。実の娘でも、人と打ち解けなくなってしまいます。

裁判で真実を証言することは15歳のひと夏の出来事も言わなければいけないことで、法律家を目指す20代の大学生にそれはやっぱり容易ではないです、ましてやナチ裁判、現実的です。

そして離婚を期に朗読テープを送る、これはマイケルの一方的な贖罪なんですが、裁判を傍聴していたマイケルの葛藤を知らないハンナにとっては「愛を読むひと」です、マイケルに応えたいと独学で読み書きを学ぶハンナ。
愛のチカラです、ハンナの一方的なおもいだけど。でもこのシーンでは泣きました。
15歳の時の一途さではないというのはハンナからの手紙が入った引き出しを足で閉めることでわかります。
殺風景なハンナの独房に花柄のカーテンが付き、飾られるようになる。いつも身支度をキチンとするようになる、マイケルがいつ面会に来てもいいように準備していたように思えました、しかし手紙の返事すらないことでハンナは気付き、再会したことで確信するんですね。ナチス親衛隊の過去は受け付けられない、朗読ももう望めない。
そして再びハンナは突然消える、最後まで気持ちがすれ違い、行き違ったままのハンナとマイケルでした。
でも聖歌隊のあの思い出の場所に埋葬したのは贖罪ではなく優しさ、愛だと思います。
私の想像、勝手な解釈ばかりなんですが、ひと言では語ることのできない複雑な人の心と業を描いた質の良い作品だと思います、ケイト・ウィンスレットはハマリ役でした。
envyさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-08-25 22:16:11)
その他情報
作品のレビュー数 78件
作品の平均点 6.65点
作品の点数分布
000.00%
111.28%
200.00%
300.00%
456.41%
51012.82%
61620.51%
72532.05%
81417.95%
956.41%
1022.56%
作品の標準偏差 1.52
このレビューの偏差値 55.84
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
愛を読むひとのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS