Menu
 > 作品
 > エ行
 > エミリー・ローズ
 > TERRAさんのレビュー
エミリー・ローズ のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 エミリー・ローズ
製作国
上映時間122分
劇場公開日 2006-03-11
ジャンルドラマ,ホラー,サスペンス,法廷もの,ミステリー,実話もの,オカルト映画
レビュー情報
《ネタバレ》 クリーチャーの造型や特撮頼みが主流となり、懐かしのゾンビまでが復権したこけおどし全盛のホラー映画界にあって、非常に真面目に作られた作品で好感度は高い。
今や善と悪との戦いも『コンスタンティン』の様にスペクタクルじゃなきゃ映画じゃない! とばかりにドタバタと描いてみせるハリウッド流において、むしろこっちの方が強く深く印象に残るのは皮肉なモンだな。
もっとも、これはホラーと言うよりは、オカルト映画であり、法廷劇なんだが……。ホント、派手なSFXなどは一切無し。オドロオドロシイ姿の悪魔も一切出てこない。

映画は、エミリーの死を裁く法廷の進行を中心に事件が振り返られていく。
「彼女は単なる精神病であり、薬の投与で治せたんじゃないのか? それを止めて実効の無い悪魔祓いなどという儀式で結局死に至らしめた神父は殺人ではないのか?」 
この糾弾に立ち向かうヤリ手女性弁護士。当初全く悪魔など信じていなかった彼女の身辺にも、次々と不可思議なことが起こり始める。この辺りの演出も非常にオーソドックスだが上手い。
でも、この映画のテーマはそんなホラー描写には無い。最後に明かされるエミリー自身の選択。信仰とは何か? 生と死とは? 結局、映画自体は結論を出さない。ただ、神父が事実上無罪になったという事態を画くだけ。あとの判断は観客に委ねられる事となる。

同様のテーマを持った『エクソシスト』とは対極のスタンスで作られている。『エクソシスト』は、原作から科学的、医学的アプローチを試みる部分をばっさりカットして、オカルトホラーに徹して見せた。こっちは、現代という時代を踏まえて論理的解釈を推し進めながら、オカルティックな部分も否定しない。
まあ、どう転んでもデート映画には向かないが、ホラーファンなら観て損は無い。それも一人でじっくりと。
TERRAさん [映画館(字幕)] 8点(2006-04-09 18:35:46)(良:3票)
その他情報
作品のレビュー数 96件
作品の平均点 6.22点
作品の点数分布
011.04%
100.00%
211.04%
322.08%
41111.46%
51212.50%
61919.79%
73132.29%
81717.71%
922.08%
1000.00%
作品の標準偏差 1.58
このレビューの偏差値 57.17
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
エミリー・ローズのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS