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硫黄島からの手紙 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 硫黄島からの手紙
製作国
上映時間141分
劇場公開日 2006-12-09
ジャンルドラマ,戦争もの,シリーズもの,歴史もの,実話もの
レビュー情報
日本人には重く、息苦しく、辛い映画。「父親達の星条旗」に続く本作も、イーストウッドらしく淡々としている。画面に繰り広げられるのは阿鼻叫喚の地獄なのに、ドラマチックに盛り上げようとは決してせず、突き放しているようで、実は暖かい目線を忘れない、静かな映画だ。そして美術考証の細かな違和感など吹き飛ばしてしまうような全体を貫くしっかりした物語の骨組みと質の高い映像、演出が見事というほかない。本作の批判に「戦勝国」である米国が、いくら敗者の視点に立とうとしても、それは傲慢であり、偽善に過ぎないというものがある。太平洋戦争に限らず、戦争によって傷ついた人々が再び和解することは長い時間と大きな苦痛を伴うし、許せないという気持ちもわかる。しかしイーストウッドが投げたボールを僕は受け取りたいと思う。硫黄島では、現在、日米双方が参加して合同の慰霊祭を行っている。これは世界の戦場を見渡しても例のないことだそうだ。そして、この二部作。日本人も、米国人も、これは試されているのではないだろうか。国や民族同士が戦うということ、駆り出された人々の傷、そして和解。島で斃れた日米の兵士達は身をもって「考えよ」と諭してくれているような気がする。また、第三国の人々もこの映画を観て、今自分たちが憎しみをたぎらせて争っている相手が、本当に悪魔なのかということを、少しでいいから思いやってみる事が出来ればと思う。
ロイ・ニアリーさん [映画館(字幕)] 10点(2006-12-14 16:09:12)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 237件
作品の平均点 6.90点
作品の点数分布
031.27%
100.00%
220.84%
341.69%
4177.17%
52711.39%
63313.92%
75221.94%
85221.94%
93113.08%
10166.75%
作品の標準偏差 1.92
このレビューの偏差値 58.41
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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