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《ネタバレ》 期待したほど心を動かされませんでした。オリジナルでは古代や森雪以外にも沖田、島、真田、相原、徳川、それぞれの生い立ちやエピソードが丁寧に盛り込まれていて、滅亡の淵にある地球に家族や様々な想い出を残して宇宙の果てまで来ているという、切実な気持ちが伝わって物語に厚みが増したし、感情移入することが出来ました。ところが本作は2時間という時間的な縛りがあるにせよ、そのあたりの人間模様が「地球との最後の通信」シーンでさらっと触れられる程度でいかにも弱い。輪をかけて乗組員達に人類の命運を背負っているという切迫感や緊張感が感じられないので何か嘘くさく見えるんです。この部分の描き方が浅いと、ガミラスとの死闘で次々失われていく乗組員達の命がとても軽く見えてしまう。原因は多分に演出脚本の力不足であると思いますが、出演者が皆平和な時代に育ったために醸し出される体躯の貧弱さや所作のためかもしれません。
邦画が挑んだ本格的SFアドベンチャーとしては良くも悪くも力を出し切った作品なのだろうと思いますし、邦画もここまで来たかと思うと同時に世界との差を痛感せ ざるを得ない部分も多々ありました。映画は総合芸術なので、何処かが欠けてもアンバランスな作品 となってしまいます。特にSF作品ではそのハードルが高いと思います。嘘の世界をホンモノのように見せるのはかなりの力量が必要なのです。 【ロイ・ニアリー】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-12-08 01:53:32)(良:3票)
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