| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 マルコヴィッチのことをよく知らないと何でマルコヴィッチの中に入りたがるのか?と疑問に思っちゃいますが、理由はちゃんとあります。彼の演技は他の俳優から見ても異色であるが故に、彼の演技から何かを学ぼうと多くの映画関係者がマルコヴィッチと仕事をしたがっているのです。それはジョン・マルコヴィッチは俳優としてだけでなく人間としても他の人とは全く違う感性を持っているからです。その感性の源とされるのが、マルコヴィッチは常に自分とは何かという哲学的な問いを自分に課していることです。そのこだわりは他の人に比べて異常に強いようで、マルコヴィッチと一緒に劇団を立ち上げたことがあるゲイリー・シニーズは「マルコヴィッチは20年間、自分の目の裏、自分の心の裏にあるものを理解しようとして演技をしてきた。」と言っています。実際、映画の中でマルコヴィッチは自分の頭の中に入り、新たな次元を垣間見ることになります(この行為はまさにマルコヴィッチが20年間続けてきたこと、そのもの)。そういう意味ではこの映画「Being John Malkovich(マルコヴィッチになること」はマルコヴィッチの考えていることを知ってみたいというマルコヴィッチのファンの欲求に応えたものであると同時に、マルコヴィッチが抱える彼独自の問いに対する一つの解答を映像で示したものだと思います。この映画で見られる世界がまさにマルコヴィッチが求めていた解答だとは思いませんが、マルコヴィッチの穴(Being John malkovich)という映画はマルコヴィッチの人生観をそのまま表したもので、本当は彼だけのための映画なのではないかと思いました。
【もっち~(←にょろ)】さん 7点(2004-01-24 05:52:04)(良:3票)
その他情報
|
© 1997 JTNEWS |