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《ネタバレ》 松本大洋の世界をステキに再現していますが、一方でどうしても思い出さずにいられないのがアニメ映画『マインド・ゲーム』とセガのXBOXのゲーム『ジェット・セット・ラジオ・フューチャー』。『マインド・ゲーム』の方はまあ製作スタジオ一緒ですから当然かもしれませんが、『ジェット・セット~』の方は元々ゲームの元ネタがこの原作だと思えるようなモノで、でもこの映画の美術は原作よりも『ジェット・セット~』に果てしなく近く(近代的な世界と庶民的な世界とが混在し、東洋的なオブジェクトがキーになっていて、街に古臭いアナウンスまで流れてるところも一緒)、だから今や映像は映画のみで切り取って語れる時代ではないのかなぁ。さて、映画は素晴らしい仕上がり具合でした。なんと言ってもシロのキャラがデザイン、脚本、垣間見せるイマジネーション、そして蒼井優の声で見事に立っておりまして、その彼を守ろうとしながら実はシロに内包されているクロの存在に説得力を与えていました。つーか蒼井優は本当に凄いやね。彼女みたいな才能の持ち主(可愛くて演技できて踊れて声の演技が凄くて)が30人もいたら声優業界滅ぼしかねないやね。クライマックスの、クロが自身の闇と対峙するシーンは、ちょっと尺が長過ぎかとも思いましたが、よく似たテーマをぶら下げた『ゲド戦記』の100万倍面白く感動できる映画になっておりました。シネスコのフレームの中から溢れ出る世界は、ただ技術を見せるためにあるのでなく、あくまで作品を語る要素になっている点も高ポイント。テクノロジーを駆使しつつもキャラにしっかりと血が通ったアニメでした。
【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 9点(2007-01-07 21:39:35)
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