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その夜の侍 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 その夜の侍
製作国
上映時間129分
劇場公開日 2012-11-17
ジャンルドラマ,サスペンス,犯罪もの,戯曲(舞台劇)の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》  この映画の影の主役。

 中から包丁が突き出す事によって異常な事態を示すもの、中身が飛び出しひき逃げ犯の車に轢かれるもの、アパートに居座る男に毎日怯えながら届けられる弁当が入ったもの、繰り広げられる殺人未遂行為を前にもう用が無くなったのにトモロヲの手の中にすがるようにずっとあるもの、妹を失った男がその命を奪った男の仲間に投げつけるもの、家にプリンを運んでくるもの。

 スーパーやコンビニのビニールの手提げ袋。

 日常がビニールの手提げ袋に象徴され、その扱いが登場人物達の壊れやすい日常とそれに必死にすがらなければならない悲しい姿を表しているように思いました。

 だけど、それゆえにちょっと上から目線で人間を俯瞰しているような映画に思え、冷たい映画だな、って印象を持ったのも事実で。

 交通整理のバイトをしていた谷村美月が山田孝之の判りやすい脅しに乗ってゆく、それを制止しようとするトモロヲをコミカルに描く、あの一連の流れなどから感じるのは人のどうしようもない愚かしさ。

 どうしようもないクズとして描かれる山田と執拗に復讐への道を歩む堺、必死に事を収めようと奮闘する義弟、クズから離れられない人々。

 それぞれがビニールの手提げ袋みたいに脆弱でペラペラな日常にすがる弱い人々のように思え、なんでこの映画はこんなに偉そうなんだろうねぇ、とちょっと反感を抱いて映画を見終わったのでした。
 それはそれで正しい反応なのかもしれませんが、決して好きにはなれませんね。
あにやん‍🌈さん [映画館(邦画)] 6点(2013-06-09 08:28:14)
その他情報
作品のレビュー数 15件
作品の平均点 4.93点
作品の点数分布
000.00%
116.67%
2320.00%
300.00%
416.67%
516.67%
6640.00%
7213.33%
816.67%
900.00%
1000.00%
作品の標準偏差 2.11
このレビューの偏差値 52.39
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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