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蜩ノ記 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 蜩ノ記
製作国
上映時間128分
劇場公開日 2014-10-04
ジャンルドラマ,時代劇,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》  ストイックな武士の世界を描いておりますが、今の日本人にも通じるところがあって。
 金貸しの播磨屋と通じて年貢の取り立てで農民を苦しめる藩の姿は、まるで銀行や大企業を優遇し増税で庶民を苦しめる今のこの国の政府みたい。
 で、そんな世界で日本人としていかに生きるか、日本人の美徳とは何か、というのを見つめさせる映画。不満を漏らすだけだったり、悪行に走ったりするのではなく、侍の姿を通して偽りなき生の在り様を示しているように思いました。
 真面目に切り取られた美しい映像と、演者の端正な所作から日本人としての美意識を刺激する作品でした。

 ただ、切腹に至る背景がとても判りづらく。「ねえねえ、あのセリフによる断片の羅列から結局何があったのかキチンと理解できた?」ってみんなに訊いてみたいカンジ。
 また、キッチリとした映像に比べて物語は散文的でエピソードの繋がりが弱く、そこに到達するまでの各人の気持ちの流れというものがドラマとして、うねりとして伝わりきって来ないもどかしさ、スクリーンとの微妙な距離感が最後までつきまといました。最初から切腹を受け入れているように見える戸田に対して、やや背景がうるさかった気もします。

 いつの間にか日本人から失われているもの、それを意識させてくれる映画ではありますが、お客さんはお年寄りばかりな上に、そのお年寄り達の鑑賞マナーがあまりよろしくないと来た日にゃ、なんだか暗澹たる気持ちにもなります。
 少なくとも誹謗中傷や差別で溢れかえったネットからは日本人の美徳なんてモノ、失われまくっておりますしねぇ。そんなもの、もはや懐古の中にしかないのかしら?
あにやん‍🌈さん [映画館(邦画)] 6点(2014-10-12 14:56:34)
その他情報
作品のレビュー数 17件
作品の平均点 5.82点
作品の点数分布
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100.00%
215.88%
300.00%
415.88%
5423.53%
6741.18%
715.88%
8317.65%
900.00%
1000.00%
作品の標準偏差 1.46
このレビューの偏差値 50.82
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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