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ラブライブ!The School Idol Movie のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ラブライブ!The School Idol Movie
製作国
上映時間102分
劇場公開日 2015-06-13
ジャンルアニメ,シリーズもの,青春もの,学園もの,音楽もの,アイドルもの,TVの映画化
レビュー情報
《ネタバレ》  スクールアイドルって? ラブライブって? 劇中一切説明ないのね。もうこの時点で「一見さんお断り」。映画からスタートする人間なんてモノは一切想定していないっていう。

 キャラが全員同じ顔をしていて、髪型と髪色、瞳の色で区別を付けている状態(っていうか髪型すらもサイドのレイヤーが顔にかかってるキャラが半数以上で描き分けが雑)で誰が誰やら。全員同じ表情で横並びになってるカットで「クローンかよ!」って笑えましたが、なんか実のところ笑い事ではない感じの映画で。

 男という性の存在は作品内から意識的に消されています。世界にいない訳ではないけれど完全に無視されるものとして扱われ、彼女達のファンになってゆくのも女子高生。本来の作品の主力ファン層の存在を削ぎ落とす事で逆に「アイドル」「萌えアニメキャラ」の純化を図っている、男の存在は作品にとってはノイズにしかならないのでしょう。
 しかし、その純化から生まれているのは激しい閉塞感と画一性。キャラの描き分けができていないのは絵だけではありません。心に闇を持たない世界ではみんな仲良く、声はみんなアイドルアニメ声優らしいハイトーン、歌は全員で同じキーを歌います。キャラの個性の振幅は最小限に抑えられ、萌えキャラのフォーマットというのは実はあまり応用が利かない、ごく限られた範囲の中に収まっている事を示します。そして、そんなキャラだけで構成された世界は当然、とてつもなく狭く閉鎖的に映ります。まるでクローンばかりの世界。

 クライマックスにおいてその世界は極まります。全国から集まった何千というスクールアイドルがアキバの街を埋め尽くし、同じ歌を同じキー、同じ振付で歌います。それはまるで『スター・ウォーズ』のクローン・トゥルーパーの如き姿であり、もはやホラーです。
 この作品が実はアイドルや萌えキャラのクローン的記号化を批判する社会派アニメっていうのならばシニカルな、なかなか挑発的な映画だと思うのですが、多分そうじゃないんですよねぇ。
 作る側が「お前ら、こんな記号に萌えられるのか?(笑)」ってバカにしてるくらいの方がまだマシ、無自覚でやってるとしたら恐いわ。めっちゃ恐いわ。こんなのがクール・ジャパンとやらなんスか?

 結論。『ラブライブ! クローン・ウォーズ』が相応しいタイトルだと思いました。
あにやん‍🌈さん [映画館(邦画)] 2点(2015-08-30 20:06:36)(良:2票)
その他情報
作品のレビュー数 11件
作品の平均点 3.27点
作品の点数分布
019.09%
119.09%
2327.27%
300.00%
4327.27%
5218.18%
600.00%
719.09%
800.00%
900.00%
1000.00%
作品の標準偏差 1.96
このレビューの偏差値 46.68
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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