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《ネタバレ》 「東急東横店、今と変わってない!全線座懐かし~!大崎広小路が田舎っぽい!」と地元近辺の昔が出てきてワクワクしたりしましたが、映画は重いですよ・・・。しかしね、ヘンな映画だと思ったんです。この映画、誰が主役なの?って。おなじみの笠智衆と原節子の二人はそんなに出番がなくて、出ていった妻の生活を結構長く捉えていたり、主役なのかな?と思われた、いちばん出番の長い明子が途中で死んでしまったり。最後まで見終わって、初めて気付きました。あ、これは家族(と言うか、かつて家族を形成していた人達)単位で主役なのね、と。小津監督の作品は毎回壊れてゆく家族の姿を捉えていますが、今回は既にかなり壊れていて、そこからの再生ではなくて、更に壊れてゆくという。家族という1つの塊を構成しているのが、実のところバラバラな個人の集合体でしかなくて、それぞれが理解や信頼とは遠いところで生き、そして繋がりが絶たれてゆく。家族がじんわりと死んでゆく様を見せられるようで、どうも小津監督作品に私は毎回無常感ばかりを抱いてしまいます。人の優しさや素晴らしさよりも、人のエゴ、醜さ、弱さばかりを小津作品から感じている私は、なんか根本的に間違ってるんでしょうか? それにしても姉妹の相手の男はどちらもペランペランのしょーもない男で、思いっきりケツ蹴っ飛ばしてやりたくなりましたわ。
【あにやん🌈】さん [DVD(邦画)] 7点(2006-07-07 22:32:26)
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