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《ネタバレ》 「親の心、子知らず」「親はなくとも子は育つ」そんな映画。自分の意思とは別のところで大人となり巣立ってゆく娘への複雑な想いを、情感とユーモアを交えて描いてゆきます。佐分利信が頑固親父でありながら、気が付けば周囲の女性達に振り回されっ放しなのが可笑しくもあり、哀しくもあり。祇園の母娘なんぞ、耳に心地良い関西弁で最高ですなぁ。さて、小津作品で毎回反復される「画面奥に切り取られた空間を横移動する人」「椅子のある空間、ない空間」が今回も当然の事ながら登場するのですが、も、もしかしてそれって結構深い意味があるのでは?なんて今になって気付き始めたり。「画面奥に~」は家に対する外側、つまり社会の象徴、「椅子」は畳の床続きの状態が、人と共有される事で家族を象徴する空間なのに対して、一人で腰掛ける状態である事で個人を象徴してるとか? うう~ん。漫然と映画を見ていないで、もっとアタマ使って見ないとあきまへんなぁ。それはともかくとして、この映画は時代と共に変わりゆく意識を描いておりますが、今は逆にこの頃の意識に立ち返る必要も出てきているんじゃない?という世の中でして、個人主義も行き過ぎると大切なものまで失いかねないのではないかなぁ、と同窓会の面々の表情を見ながら思うのでありました。
【あにやん🌈】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-07-11 01:17:15)
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