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《ネタバレ》 ラストシーンで「え?」となってしまいます。うーむ。解釈はいろいろと出来そうなのですが、こうだ!と結論付ける事はしない方がいいのでしょうね。さて、殆どが宮沢りえと原田芳雄の会話で進行するという、とても地味な印象を与える映画ですが、二人の会話がいいですね。全編原爆による悲劇を陰々鬱々と語るのではなくて、娘の恋心をおちょくってみせる父がコミカルで可笑しく楽しめます。ただ、それゆえに話が原爆投下の件に及ぶと、ちょっと芝居がかった大仰さが浮いてしまい、更にそこにご丁寧に挿入される今風のCGを駆使したVFXと惨状を描いた絵とが、どうしてもそういう語り口でなければいられなかったのね、と少しガッカリもしたり。そこでは過去に語られ描かれてきた沢山のヒロシマを繰り返しているだけで、この映画独自の価値が感じられないのです。一方で「死ななければいけなかったのに生き延びてしまった」という罪悪感は切実に伝わってきて、長回しに沢山のセリフと動作が盛り込まれている中でしっかりと芝居を見せる宮沢りえは本当に上手い女優になったなぁ、と。とんねるず相手に「ざけんなよ!」とか言ってたあのコとは別人のように感じられます。ヒロシマを現代、未来に伝える事は大切です。もう終わった事、過ぎ去り忘れ去られた過去ではありません。でも、作品のアプローチはこれまでの繰り返しではなく、もう少し先へ進んで欲しかったですね。なんか100ページほどのマンガ「夕凪の街 桜の国」の、最初の25ページまでを映画化したような印象ですし(この映画の原作の方が発表は10年も前なのですが)。こちらを先に見ていれば、もう少しポイント高かったかな?
【あにやん🌈】さん [DVD(邦画)] 7点(2006-08-18 01:51:55)
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