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やっとこの作品を観た。難しい映画だ。人に「どんな映画?」と聞かれて、これほど返答に困る作品も珍しい。
やはり絵の美しさや音楽は特筆ものだ。「海の上に懸かる月」「湯屋の描写」「感情豊かなキャラクター」等、随所にはっとするほど暖かく、懐かしい雰囲気が漂う。だが、問題なのはストーリー。以前から指摘されていた通り、前半の湯屋の場面が長くて、後半急きすぎた感が否めない。途中からタイムスライダーを横目に、本当にラストで話が纏まるのか心配になった。やはりというか、肝心のゼニーバの所に、千尋が(実質)一人で使いに出る描写に物足りなさが残る。前後2作品になっても構わないから、ラストまできっちり描いて欲しかった。瑞穂の国の民俗文化の奥深さを、深く追求した稀有な作品であるだけに惜しい。ただ、さりげない描写であるが、ラストの千尋が後ろを振り返りそうになって思いとどまるシーンはかなりグッと来た。【追記】米国(IMDb)での評価が「ラピュタ<もののけ<千」というのが興味深い。果たしてこれは「文化の違い」なのか、それとも・・・ 【追記2】夏木マリもいいが、我修院達也の蛙の声がうまい。確かにあんなイメージだよなあ、蛙って。 【与太郎】さん 7点(2004-07-04 00:52:39)
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