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《ネタバレ》 制御不能のスーパーパワーを持ってしまた男の苦悩、理不尽な追撃からの逃走劇、それらがとても丁寧に作られている。その中でエドワード・ノートンとリヴ・タイラーの演技が画面に格調すら与えている。荒唐無稽な設定に「成り立ち」を人間性を含めてきちんと描く現代のスーパーヒーロー映画らしい。
問題はそこから「面白さ」が一向に生まれてこないことだよ。ハルクはずっと苦しんでばかりでカタルシスというものがない。それならそれでひたすらシリアスに物語を(アベンジャーズ用に)完遂するのかと言うと、中盤以降は急に雑になる。「ミスター・ブルー」はとんでもなくバカっぽいし(よくこんな男に命運を任せる気になるな)、最強の敵として立ちはだかるティム・ロスはあまり強そうに見えない。名優の演技だけでなんとかするのは無理だよ。そして逃げ惑うモブがうざい。お前らは「山道で飛び出してきて延々車の進行方向に逃げ続ける野ウサギ(実体験)」か?人間なら前頭葉を使え。 そして素材も改造度もはるかに上の相手を倒すロジックが「必殺技」。これは技名を叫んで繰り出す映画だったのか?それならもうちょっと早くそのノリを見せておかないと唐突過ぎるぞ。おまけにラストのシーンでいつのまにかやたら人がたくさん立ってるが、そこはボロビルの屋上じゃなかたっけか?合成する前の撮影で設定を間違えただろう? 2008年というのは「悩み苦しむスーパーヒーロー」が大流行していた頃で、たしかにシリアスな部分はよくできてはいる。それとハルクの設定や物語との接地に失敗した感がある。 【tubird】さん [インターネット(字幕)] 5点(2019-05-27 10:14:35)
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