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《ネタバレ》 なんとも点数が付けづらい映画です。中島監督の才と中谷美紀の頑張りを思えば10点満点でもいいのでしょうけど、今回は7点でやめておきます。 監督を刺そうかとさえ考えたという中谷さんは、頑張ってます。その頑張りが画面から溢れています。『電車男』のエルメスと比較すれば、中島監督の圧倒的な演技指導・演出力を感じざるを得ません。七変化する中谷さんの熱演はこの作品のテンションの高さもあって見るものをひきつけますね。 一方で奇才・中島監督は、まあよくこれだけのハイテンションを保てるなあと驚愕です。あの卓球CMの頃からこのへんは何も変わってないですね。画面の隅々にまで入念に配慮した画面構成や高度なVFX、巧みなカメラワークも素晴らしく、まともに描けば後味最悪な物語をファニーに見せることに成功しています。 総じて素晴らしく高度な作品だと思うものの、クライマックスの着地点に若干の迷いを感じる点が惜しいです。松子が再び前向きに生きようとした矢先の悲劇、ここから簡潔にラストの階段までまとまっていれば良かったのですが、川尻笙や龍洋一のエピソードをラストに押し込んだために最後はまとまりに欠けました。あと、大倉の刺青などの小ネタはわざわざアップにしてしまうと楽しさが半減だと思います。 『下妻物語』のような普遍的なストーリーではなく、かなりなアクの強さと悲劇であるものの、このようなミュージカル仕立てにしてしまう監督、恐るべしです。ただ、ちょっと詰め込みすぎたように思う(尺もまだ切れるはず)ので、次回はまた直球で攻めてほしいとも思います。今回はシンカーを投げたけど、落ちずにボールになったって感じです。役者では黒沢あすかさんと宮藤官九郎が素晴らしかったです!
【トト】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-07-09 22:52:06)
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