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《ネタバレ》 見るのは二十数年ぶりだったのだが、あらためて見ると内容としてはよくある刑事アクションの域を出ていないと思うし、主人公ニック(マイケル・ダグラス)の汚職警官としての一面ももう少し丁寧に掘り下げたほうがドラマとしても深みが出たと感じる。しかし、やはりこれがハリウッドデビュー作にして映画での遺作になった松田優作の存在感には今見ても圧倒されるし、初めて登場するニューヨークでのレストランのシーンもそうなのだが、やはりチャーリー(アンディ・ガルシア)を殺す駐車場のシーンの演技が初めて見たときと同様に物凄く印象に残り、きっと今でも存命ならば間違いなく世界的に活躍出来ていただろうにと思うと本当に惜しい。それに、演出面では日本人が見ても異国感のある大阪の街も印象的で、それでいて外国映画にありがちな日本人から見て違和感のある日本というのをあまり感じさせていないあたりにリドリー・スコットの手腕の高さを感じることができ、この2点のおかげで引き込まれ、最後まで面白く見ることができた。今回見るうえで不安だったのが、今となっては高倉健と若山富三郎の共演を東映任侠映画で何回も見ているので、そのイメージに引っ張られないかということだったのだが、全く気にならずに見れたのは良かった。この若山富三郎演じる菅井がニックに戦時中の空襲時の体験を語るシーンが印象に残り、「ブラック・レイン」というタイトルの元にもなっているのだが、このシーンをはじめ菅井が英語を喋るシーンは吹き替えになっている(今回見て気づいた。)のがちょっと残念。脇役陣の中では初めて見た時もそうだったのだが、神山繁演じる大橋部長の嫌味さが今見ても印象に残る。(2022年5月22日更新)
【イニシャルK】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-03-31 11:40:05)
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