Menu
 > 作品
 > ニ行
 > 人間の約束
 > イニシャルKさんのレビュー
人間の約束 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 人間の約束
製作国
上映時間124分
劇場公開日 1986-09-13
ジャンルドラマ,サスペンス,犯罪もの,小説の映画化
レビュー情報
当時はまだ痴呆症と呼ばれていた認知症をテーマにした吉田喜重監督による社会派ドラマ。新藤兼人監督が同じテーマで手がけた「午後の遺言状」は、重い中にも時折ユーモラスなシーンもあったと記憶しているが、この映画は最初から最後までひたすら重く、身内の一人が認知症になってしまったことで起こる家族の問題がとてもリアルに描かれていて、見ていてとてもつらくなってくる映画だった。病院で10円玉を欲しがり、つながるはずのない電話をかける認知症の患者である老婆の姿は見ていて痛々しいく、ボケてしまった妻(村瀬幸子)を介護する夫(三國連太郎)がトイレの鏡に向かって挨拶をするシーンなど認知症の症状に関してもものすごくリアルである。村瀬幸子が「早く死なせておくれよー。」と叫ぶ姿も切なかったし、在宅介護となったそんな義母を介護する嫁(佐藤オリエ)にも感情移入できる部分があるので、もう見ていて本当につらいとしか言いようが無い。この映画は約四半世紀前に作られたものだが、今でもこういう状況はありえるのではないかと思わせてしまうところが怖かった。ラストは本当になんの救いもなく、そうするしか道はなかったのかと見ていて鬱な気分になってしまった。人にすすめようとは全く思わないし、好きな映画でもない。でも、社会派映画としてのメッセージ性は非常に強く、問題作であることは確かである。
イニシャルKさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-05-15 15:54:45)
その他情報
作品のレビュー数 10件
作品の平均点 7.10点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
5220.00%
6330.00%
7220.00%
800.00%
9110.00%
10220.00%
作品の標準偏差 1.81
このレビューの偏差値 49.70
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
人間の約束のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS