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あにいもうと(1953) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 あにいもうと(1953)
製作国
上映時間86分
劇場公開日 1953-08-19
ジャンルドラマ,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 成瀬巳喜男監督による文芸作品。タイトル通り兄と妹を描いた物語なのだが、これがけっこうドロドロとしている。それでもこの映画に出てくる兄妹はどこか他人事ではない気がしてしまうのも事実で、兄(森雅之)が妹(京マチ子)を妊娠させた男(船越英二)に暴力を振るうシーンはこの兄の妹に対する素直な思いが伝わってきて感動したし、もしぼくが同じ立場なら相手の男に対して同じことをするのではないかとつい思ってしまった。だから、そのことを巡って起きる終盤の二人の凄まじいケンカのシーンは、兄と妹、双方の気持ちが理解できるような気がする。しかし、ラストのもんがさん(久我美子)に兄に対する思いを打ち明けるシーンがこのドロドロとした兄妹愛を描いた映画のラストとしては実に後味がよく、このシーンがあるからこんなドロドロとした映画を見終わったあとでもさわやかな印象が残り、成瀬監督の余韻の残し方のうまさを感じる。大映作品であるためか京マチ子や船越英二が成瀬作品に出演していているのが珍しいし、ほかの成瀬作品と比べてストレートに感情を表現するシーンが多く、終盤のケンカのシーンの凄まじさもあり、映画としてはなんだか同じく成瀬監督の「あらくれ」に近い印象。兄を演じる森雅之が少しミスキャストのような気がするのが惜しいところだが、それでも成瀬監督らしい人間の描写が素晴らしく、じゅうぶんに佳作といえる映画だと思う。
イニシャルKさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-12-24 14:44:51)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 7件
作品の平均点 7.00点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.31
このレビューの偏差値 50.00
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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