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三谷幸喜監督の前作「THE 有頂天ホテル」を劇場で見た時すごく面白かったのだが、後になってDVDやテレビで見返すとそれほどでもなかったので、最初からDVDで見る本作にはあまり期待してなかったのだが、そこそこ面白かった。でも、売れない俳優を偽者に仕立て上げるという設定が「合言葉は勇気」の使い回しのようでややネタ切れかなと感じたのは残念。ボス(西田敏行)のいる部屋が「ゴッド・ファーザー」のドンのいる部屋を明らかに意識した作り(でも、西田敏行はマーロン・ブランドのようにはいかないよなあ、やっぱり。)だったり、伊吹吾郎がバーテンを務めるバーの名前が「赤い靴」だったりするのは笑えるし、深津絵里に名前をたずねたあとの佐藤浩市のセリフに大笑いしてしまった。(少しマニアックかもしれないが。)ほかにも、劇中劇映画に登場する鈴木京香の劇中での役名が小夜子というのも「犬神家の一族」の小夜子(川口晶、奥菜恵)を意識してるようでなんか笑える。「犬神家の一族」といえばやはりこの人の事を書かなければいけない。リメイク版に三谷監督が出演している関係からか、本作には劇中劇映画「黒い101人の女」(「黒い十人の女」)の監督の役で市川崑監督が出演。「ヨーイ、スタート」のかけ声とともに撮影が始まるのだが、これが市川監督にとって最後の「ヨーイ、スタート」なのかと思うとやっぱり何か感慨深いものがあるし、ああ、これが映画監督 市川崑の最後の姿なのかと思うと少し辛くもある。また、市川監督が撮っている映画の主演俳優役が中井貴一というのも、実際に市川監督の後期作品の常連だっただけに、それを意識したキャスティングなのかもしれないが、これもなにか感慨深い。そういえば、鈴木京香もテレビドラマが中心だったが、市川作品に数回出ているなあとそんなことも思ってしまった。全体としては6点くらいが妥当かなあと思う映画なんだけど、市川監督の関わった最後の映画ということで少し甘めに7点。
【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-07-25 11:56:04)(良:1票)
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