Menu
 > 作品
 > カ行
 > 乾いた花
 > イニシャルKさんのレビュー
乾いた花 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 乾いた花
製作国
上映時間96分
ジャンルドラマ,モノクロ映画,ヤクザ・マフィア,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 池部良が初めてヤクザ役を演じ、彼が東映任侠映画の常連になるきっかけともなった篠田正浩監督の映画。時代的には東映任侠映画がこれから全盛を迎えようかという時期の映画だが、クールでどこか日本映画ばなれした雰囲気やフィルムノワール的なカッコ良さがあり、どんよりとした白黒の映像も効果的で、独特の味わいを残す作風など完全に東映任侠映画とは一線を画した映画になっているが、そこがむしろ新鮮だったし、繰り返される賭場のシーンは東映作品よりも緊張感があり、見ごたえがじゅうぶん。主演の池部良のヤクザ役を見るのは二度目だったが、やはりカッコよく、青春映画などで見せる爽やかな演技とはまた違った魅力があり、この映画をきっかけに東映から「昭和残侠伝」のオファーがあったのもうなずける話。ヒロインの加賀まりこもこの頃は小悪魔的な可愛さがあり、「月曜日のユカ」でもそうなのだが、白黒だとそれがいっそう映える。一言のセリフもない薬物中毒の男 葉を演じる藤木孝の不気味さも印象的。東野英治郎と宮口精二演じる二人の親分がレストランでスープを飲んでいるシーンのユーモアはどことなく伊丹十三監督の「タンポポ」を先取りしたかのように見えなくもなかった。篠田監督の作品は苦手なものも多いが、本作はけっこう楽しめた映画だったように思う。それに、岩下志麻の出ない篠田作品を見たのは初めてだったのだが、それも新鮮に感じた。
イニシャルKさん [DVD(邦画)] 7点(2014-05-29 17:24:24)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 8件
作品の平均点 6.25点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
4112.50%
5225.00%
6225.00%
7112.50%
8112.50%
9112.50%
1000.00%
作品の標準偏差 1.56
このレビューの偏差値 53.08
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
乾いた花のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS